世界最大級の
ワクチン原薬工場設立
2010年5月に大手重工業メーカーとバイオベンチャーの合弁企業としてUNIGENは誕生した。強固な経営基盤と技術力を持つメーカーと、新たな挑戦をするベンチャー企業。お互いの強みを活かし合い、日本が世界に後れを取っているバイオ医薬品製造という分野において、ものづくりで貢献する企業として立ち上がった。
Profile
株式会社UNIGEN
取締役 戦略渉外本部長
※プロフィール情報は取材時
(2021年2月現在)のものです。
全部が同時にゼロからスタート
設立当初はアピグループではなかったUNIGEN。母体となった企業があるとはいえ、会社設立、工場建設、組織づくり、製造を同時並行で取り組む必要があり、嵐のような毎日でした。無我夢中で取り組んだ結果、設立から3年で世界最大級となるバイオ医薬品工場が竣工し、季節性インフルエンザワクチン原薬の試験製造にも成功。
現在日本において主流である鶏卵を用いたワクチンに対し、私たちが取り組んでいるのは短期間で製造でき、危険なウイルスそのものを扱わない、昆虫細胞を用いたワクチンです。試験製造も成功し、承認申請までこぎつけたことで怒涛の日々がひと段落したと思いましたね。
予定通りではなくても、前進あるのみ
ですが、そうはうまくいかないというのが現実。日本国内での承認申請を進めていたのですが、様々な事情が重なり、承認申請が頓挫。約2ヶ月後に控えていたアメリカでの承認申請をどうするか、悩んでいた私たちに手を差し伸べてくれたのがアピでした。
アピだけでなく現地企業の協力もあり、アメリカでの承認申請は完了。そして無事承認を得られたため、承認期間の長い日本での再申請ではなく、アメリカへのワクチン輸出に舵を切りました。日本の技術力と世界最大級の製造設備。アメリカでもまだ実現していないほど大スケールでの製造が始まりました。
前に進むことが、新たな挑戦に繋がる
日本ではなく、アメリカへの輸出を目指す。メンバーの中には、そんな大それた挑戦に不安を感じる人もいたと思います。ですが、私はアメリカで承認を得られ、一歩でも前に進むことができれば、次のステップに行けると確信していました。
そしてインフルエンザワクチン原薬の商用生産で培ってきた実績が認められ、新型コロナワクチン原薬の製造工場として抜擢していただけました。これもあの時の挑戦があったからこそだと考えています。より一層、人々の健康に貢献できる存在になるためにも、日々挑戦していくことの重要性を噛みしめています。